2006年10月15日

六本木の朝、私を取り囲むものは

日比谷線に乗って
六本木駅で下車して
西麻布方面出口から
なんとなく六本木ヒルズに行ってみる

もらい物のスターバックスカードでコーヒーを買ったら
レシート残額は9660円で

あの男はホントに私のことをわかってない

ってげんなりした

1万円分のコーヒーなんて
いらないから私

kate spadeのバックをちらっと眺めて
けやき坂を下り
テレビ朝日の前で
顔見知りの男に偶然会う

平日午前9時
六本木のジムで運動する
杉並区に住む男

『こんな時間に何してんの』

って言われてもねぇ?

おまえはホントに悪そうな男だ

としか思えないから

申し訳ないけど
くだらないから全部すてて
今日のお昼ごはんを考えることにした

餃子にしよう

□けやき坂から
□午前9時33分  

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2006年09月24日

ふざけろ

あなたにとって
過去のことだったり
これから起こるかもしれないことだとしても

その大なり小なりの問題を

もっと複雑に
ややこしくしているのは

誰のせいでもなく
それはあなたでしかない

とかエラそうに言った夜

いつもの道は
キンモクセイの香りがした

□首都高速から
□午後7時42分  

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2006年09月13日

ノスタルジアを捨てろ

真ん中がブレないように

ホントのところを曖昧にしないために

そう繰りかえし思っていても

9月はいつも

私だけを置き去りにする


□飯倉から
□午後3時39分  

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2006年09月06日

いらない忠告

あなたは欲しいものを手に入れようとしたとき

とてもバランスが崩れる

と言われたけれど

なんの動揺もなく
欲求を満たすことはムリだし

それは普通に、ありえない


□鳥居坂から
□午後3時28分  

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2006年08月15日

いい風が吹いている

下弦の月がきれいですね

と言われて恋におちた女の子の話を思い出しながら

月なんていつ見たきりだろうと考えた

まちがって鳴いている蝉

夜の表参道で


□北青山3丁目から
□午後11時33分  

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2006年08月12日

たいして飲んでないけれど

あたし、はやく30才になりたい


□六本木ヒルズから
□午後2時36分  

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2006年08月09日

夏は短い

一度捨てたことを覚えているのは私で

捨てたものを二度と拾えないのもまた私だった


□麻布十番から
□午後9時18分  

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2006年06月28日

さみしさの標準はどこだろう



N'DAMBIを聴きながら

私がここ1週間に会った数百人の人たちとの
交わした言葉や状況を思い出し

私が返した答えは本当に正しかったのだろうか

あのタイミングでよかったのだろうか

あの人が求めていたことを私は理解していただろうか

あの人が心を開いた瞬間を私はうまくキャッチしていただろうか

さみしさのない救いの言葉をかけてあげられただろうか

そしてそれは私の本心だったのだろうか??


空が少し明るい感じがするまで
こうして消化作業をした

午前4時をまわるまで
音楽をかけて
ただひたすらに思いをめぐらせた

人はこんな私をさみしい奴だと思うのだろうか

ならば人はこんな風に過ごす夜をさみしいと感じているのだろうか

ちがうのに

私はただ
黙々とこなしたその作業の後に

今日の目標を考えているだけだ

今日は必ずあのリップクリームを買おう
そしてこれを私の今日の目標にしよう

そう思っているだけなのに

そこにちょっとしたたくさんの前提と
忘れてはいけない出来事があるだけなのに


□首都高速から
□午後10時27分  

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2006年05月18日

気にすることはない

劇的なことが起こるのは
いつも夜だ


□六本木交差点から
□午後6時40分  

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2006年05月11日

祈りも届きそうだ

今朝の東京は
風がびゅんびゅん吹いている
すこし明るい曇りだった

私がいちばん好きな天気だ

埃っぽくなくて
なにも間違いが起こらない気がする


□一ノ橋から
□午前10時32分  

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2006年03月22日

煙草が吸いたい


季節はずれの七夕のように毎年決まった日
私と彼女は一年に一度の電話をする

やはり私は今年もしくしくと泣いた

あの人のためだけに生きた夜があった

ただそのひとつの理由のために泣いた

気づくと過去はいつもほんの少し先にあって
そして私をすぐに捕らえる

私の現在と未来は、過去に占領されているのか


□六本木交差点から
□午前8時57分  

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2006年03月17日

人は変わらない


54才のおばさんが
44才の社長くんに
今日ちょっとした説教をしていた

  : 
『あんたね、相手に対してね、
 自分のためにこうしてくれとか思ってちゃダメよ
 自分が望むようにしてくれないとだなんて、発想が幼い』
  :

卑怯で優しくない私は
おっさん、そんなことも知らなかったのかよ
とこっそり思いつつ知らんぷりして聞き流す

そもそも
相手に何かを求めた時点でいい関係なんて築けないしね
なんなら信頼関係なんて、とんでもなくムリなわけ

じゃあどうするかっていうとね
なんでも受け入れることから始めるの

人に多くを求めると
そこには不安しか存在しないの


□一ノ橋から
□午後7時36分  

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2006年03月07日

知ってほしかった


彼女はいつもきれいなTOD'Sの靴を履いている人だった

あと一言多く伝えれば
もっと相手を安心させてあげられたり
もっと相手に近づけるのだと知っていながら
なんとなく一言少なくして済ませてきた私が

言葉が伝える手段のすべてではないと分かりつつ
もうすぐ死んでいく人に向けてしてあげられることは
その削除していた一言だったのかもしれない

彼女が末期の癌で入院していると聞き
次回に持ち越すことはできない
やり残していたたくさんのことに気づいた今日

今はもう話すこともできない彼女に私は言いたかった
『いつもきれいで素敵な靴ですね』

そう思っていたことを、私は本当に伝えたかった


□鳥居坂から
□午後8時12分  

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2006年02月28日

波についての考察


別に同情してとか共感してだなんて思ってないのよ
そんな抑揚で彼女が話し出した

  :
『私ね、なにも悪いことしてなかったの
 悪いことする理由がなかったの
 文句なんてひとつもなかった
 まぁ家庭環境は良くはなかったけど
 不自由してなかったしね
 反抗する理由もないしね

 あるべき論に従って生きてきたつもり
 誰にも迷惑かけないようにしてたつもり

 でもね、突然波が私を襲ったの
 波がきたのよ

 波だよ?波

 波がフッと私を襲ってね
 さらわれたの
 どん底まで連れていかれたの
 
 でね
 気づいたら今まで築いてきたものがぜんぶなくなってたの

 わかる?
 なくなったの、ぜんぶ、ほんとに
 
 ねぇ何も悪いことしてないの
 でもなくしてたのよ
 
 勝手に、ぜんぶ、なくなってたの

 それは自分の力では脱出できない力でね
 私をスッと連れて落としていったの
 どん底よ
 人生の最低ポイントにいたのよ
 
 その波がきたらね
 もうね、乗るしかないの
 それしかできなかったの
 いちばん辛いポイントに辿り着くまでされるがままよ
 
 耐えるでしょ
 で、到着するでしょ
 あぁやっと終わった、と思ったらそこにはなにもないの
 ありえないわよ、意味がわからないの
 
 自らすすんで努力したり苦労してる人いるでしょ?
 あれね、ムダ
 
 その波は必ず襲いにかかるんだから
 静かに突然引き込まれていくんだから
 努力とか苦労しててもね
 得体の知れない何かが引っ張っていくの
 
 わかる?
 逆らえないわよ
 準備なんてできないんだから
 
 逆にね
 準備して防げるんならたいしたことじゃないのよ
 
 いつからはじまってたかもわからないの
 それくらい静かに連れて行かれるの
 それってね、本当なんだから

 やっと3年経ってね
 恐怖ってこのことだって知ったの
 
 失うのって恐怖よ』
   :

私の隙を窺っている波を想像してみる

あのとき
そしてあのときも
私が今まで失ってきたものは
波に巻き込まれ、消されていったのかもしれなかった

それでもまだ失うものを持っている私が
私のすべてを壊してしまう巨大な波に遭うのは

それは明日かもしれないのだ


□浜松町から
□午後8時11分  

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2006年02月19日

そこに東京タワーがあった

私は神じゃないからさ
なにも叶えてあげられないしね
できることなんて
ちょっとした情にすぎないかもしれないけどさ

あの夜の言葉は忘れないしね
私ちゃんと記憶したからね

□六本木から
□午後10時55分  

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2006年02月15日

あれから8度目の春が来る

きのう14時過ぎ
東京の空気はなんとなく春のにおいがしていて

私の隣を歩く2人の女の子の顔は
過去の春の思い出や
少し前の真冬の出来事とかに
トリップしているようだった

□中ノ橋から
□午後3時22分  

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2006年02月12日

よく晴れたこんな日なのに

この前あの子が
遠回しに私に発したのは

SOSだったのかもしれない


□東麻布から
□午前10時23分
  

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2006年01月29日

泣けてくる

舌うちして歩いていた男
隣にいた女の耳から漏れて聴こえたノラ・ジョーンズ
ストレスフルな顔をした酔っぱらい中年男

六本木通ですれ違った人
チェックのマフラーした私

□愛宕2丁目から
□午前3時40分  

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2006年01月20日

人脈を整理しろ

この人は好きとか
この人は嫌いとか
なんか判断できないんだよね

ってあなたは言ったけど

それは八方美人だからでね
だから、そのへんブレるのよ
で、大切を見失うわけ

□新一ノ橋から
□午後8時7分
  

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2006年01月03日

幸せについて考えてみようか


頼まれていた物を買いに渋谷PARCOに行く
センター街をぬけてスペイン坂を歩く途中
ManhattanRecordsの袋を持った男の子を3人見かけた

  :
『おまえなんか中古の事故車以下だって言われてね
 そりゃそうだよなって思ったの
 私いっぱい人を傷つけちゃったしね
 自分のこともいっぱい傷つけちゃったからね

 人より幸せになりたいとか
 人並みの幸せが欲しいと思ってないの
 幸せを求めなくなったの
 
 ねえ○○さん、幸せってなんだと思う?
 私はね
 たった一人でも
 自分が心から信頼できる人がそばにいることだと思うの』
  :

幸せからいちばん遠くにいる人は
優しすぎる人なのかもしれない

坂を上りきるとPARCOはもう閉店していた
頼まれていた物は、えっと…なんだったっけ?

□渋谷から
□午後11時32分  

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